②演目及びキャスティング | 第二回公演の記録

2008年11月に予定していた公演が中止になって、その年の公演はあきらめ、翌年秋、つまり2009年10月頃の公演を考えていました。

 

10月となるとその8か月前は、その年の3月となるわけで、2008年年末からレギュラーの稽古をしながらも、次の公演でなにをするか、誰がでるのかということ水面下で相談したり話してゆくようになっていました。

 

順番的には、まず出演者をだいたい決定してから、その人数にあった台本を探すことになります。

 

ATではまだオリジナルの作品をやっていません、いまのところは既成の戯曲から探すことになります。

 

 

ATは出演者はメンバーの中から選出します。

 

客演というのは基本ありません。

 

というのも、ATはひとつの芝居に8カ月かけるわけで、はじめの5カ月は隔週日曜日、3か月前になったら毎週日曜日でやります。

 

この長丁場をこつこつとこなせる、そして一緒にがんばってゆける仲間であることが第一条件なのです。

 

つまりレギュラーの稽古を通して、毎回けいこに出てきてくれる人、地道に長く活動を続けてくれる人が、ATにとっては一番の信頼であり実績と考えます。

 

なにも演技がうまいとか、容姿端麗とかそういうことではありません。

 

ATの長距離を一緒に走ってくれる人がとても大切なのです。

 

だから、客演でその公演だけ出たいと言われても、ほんとに8か月も一緒にやれる人なのかわからないし、まあ大抵、そんなスパンで出たいという人もいないので、客演をお願いしたくても頼める人がいないという現状もあります。

 

とにかくATでは、メンバーの中から出演者を選びます。

 

また、選ぶとか選出するといっても、公演に出たい人は基本的にみんな出演者として考えます。

 

その時期に忙しくて都合が悪いとか、本番の舞台は自信がなくて出たくないとか、障害があるので本番の舞台は無理、という人以外は基本的に全員参加です。

 

大事なのは、その人が毎回稽古にちゃんと出てきてくれるひとなのかということと、舞台に立ちたいという意思だけです。

 

まあ大抵ATに入ってくる人たちは、役者やりたいといって入ってくるので、問題がなければ舞台に立ちたいという希望をもっているのかと思います。

 

さて、今回はこの時期にひとつ問題が発覚しました。今まで経験したことなかったような問題です。

というのは、では、本番には出演しないけど、ATの活動には参加したいという人はどうするのか、ということです。

 

レギュラーの稽古では、日常の基礎訓練ということで、みんなでエチュードをやったり、本読みやシーンづくりをやったりしますが、本番のけいこがはじまると、出演者と演出だけのけいことなり、出ない人は、ただ見学しているだけの状態になってしまうのです。

 

これは、今回はじめて活動上の問題として認識されたことでした。

 

年末年始にかけて、メンバーも6、7人になっており、ずっと来てくれているメンバーもいましたが、12月、1月に入ったメンバーもいました。

 

すでに半年以上休まず通ってきてくれているメンバーは文句なしに出演してもらう(あるいは彼らが出演してくれないと困る)のですが、後のメンバーに関しては、まだ付き合いは短いのに出演するかどうか決めなきゃならないし、もし今回は出演しないとしたら、本番の稽古が始まるとあんまやることがなくなってしまうという事実に行きついたのです。

 

これまでは、メンバーが少なすぎて、誰を出すとか誰が出るとかで悩んだことはありませんでしたが、今回メンバーを獲得することに成功するようになってはじめて誰が出て、出ない場合は、何をするのかということが問題になったのです。

 

確かに立ち稽古とかになれば、プロンプター(セリフの介添え)をやってもらったり、音出し(シーンごとで使う効果音や曲をラジカセで出してもらう)とかはあるかもしれませんが、どうもそれ以外は、やることがないのです。

 

これがプロの劇団なら、新人さんにひとの稽古をみるのも勉強だからといって、付き合わせたり手伝わせたりできるのだけど、ATは社会人中心のアマチュア演劇グループで、みんなが日曜日に時間をとって楽しみにくることが第一の目的です。

 

別にプロを目指しているわけでもないので出番もなく、勉強という理由だけで、人の稽古を4、5時間もただ見ているだけというのは、ちょっとつまらないだろうなあと思います。

 

必ず出演というメンバーは、演出はわたしなので、役者としては3人いました。

 

彼らは活動参加以来毎回休まず稽古に来てくれてまじめに稽古してくれる信頼できるメンバー(ナヲ、ひとみ、匠)でした。

 

その他に男性メンバー1人、女性メンバー3人位いましたが、年末年始の調整で、男性メンバー1人が辞めて(もちろん自分の都合で)、女性メンバー3人の内、ひとりは、仕事の都合で日曜日が出てくることが難しいということでしばらく活動休止、そして、4人目の出演者候補としては2人いたのですが、その内の1人が、ATには残るけれども出演はしないということで意思表示をし、もう一人の1月に入ったばかりの新メンバーは、まだ付き合いは短かったのだけれど、舞台に出てみたいと意欲を見せてくれたので、結局出演者としては、以前からのメンバー3人と新メンバー1人の4人ということで決定ました。

 

そして出演しないといったメンバーには主にスタッフとして手伝ってもらうこととしました。

 

改めて第二回公演のメンバーは、出演者:ナヲ、ひとみ、匠、こばゆき、スタッフ(プロンプ、音だし、美術):りょう、演出:けいちゃん、という構成で始動することになったのです。

 

 

上演台本ですが、これは実は既に候補がありまして、というか前々からわたしがやりたかった本でもあり、以前も公演の上演台本として候補に上がっていた北村想さんの「寿歌」という戯曲です。

 

みんなにも読んでもらったところ、やってみたいという言葉が上がったので、これに決定しました。

 

「寿歌」は男性2名女性1名の3人芝居ですが、女性メンバーのひとみ、こばゆきをダブルキャストにして、それでやってゆくことにしました。

 

ダブルキャストにしたのは、女役が1つしかないということもあったし、こばゆきは、1月に入ったばかりの新メンバーで先ほど、わたしが言ったような意味で信頼や実績がなかったので、なんかあったときでもひとみ(彼女は、既に半年以上もけいこを休まず参加してくれていた信頼実績あるメンバーでした)がいればフォローできるし、またひとみのほうの事情もあり、彼女の場合、仕事が月一回は日曜日が入ってしまうというのがあったので、だったら、3か月前、毎週の稽古になった時は、ひとみ休みのときはこばゆきデーにして稽古もできるし、等など、考えた上で、ダブルキャストにしました。

 

本番の稽古は、2009年3月から開始することにしました。

 

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