アマチュアシアターの稽古は、隔週日曜日、13:00~18:00(※)まで、新宿の生涯学習館を借りて行います。
アマチュアシアターは勤労者が中心、だから日曜日、そして、月2回というスパンで稽古を行います。
メンバーには、この稽古に参加することを固守していただきたいのです。
稽古が、月2回というのは、決して多いとはいえません。
しかし、アマチュアシアターは、やる以上、進歩すること、成長すること、を目指します。
また、月2回の稽古と自宅での訓練でも進歩は可能だと信じます。
簡単なことではありませんがアマチュアシアターは、難しいことに挑戦するのです。
稽古は主に役者のトレーニングを中心として組み立てられていますが、演出や劇作、音響・照明・舞台美術等志望で入った方にも一緒に役者の勉強をしていただきたいと思っています。
役者遊びこそ、芝居の原点だと考えるからです。
(※)本番3~6か月前からは、毎週日曜日、最大21:00まで
稽古は、大別して、レギュラーの稽古と公演のための稽古に分かれます。
1.レギュラーの稽古
役者の基礎的な技術を向上させるための稽古です。
【稽古の流れ】
1)発声訓練
腹式呼吸・発声をマスターします。初めての人には丁寧にお教えします。
プロもやっている発声訓練です。
滑舌(かつぜつ)(早口言葉)の訓練では、テキストとして、「外郎売(ういろううり)」をやります。
これをマスターすれば、日本語のせりふならなんでもこなせるようになるはずです。
2)即興・エチュード(⇒稽古場動画・ドア)
毎回、課題を与えて(あるいは考えてきて)、即興芝居をやっても らいます。
1人でやることもあれば、2人以上でやることもあります。
一人でやる即興の例としては、「ドア」というのがあります。
ドアを開けたら、なにかがある、それを各自考えて、その反応を表現してみましょう、というものです。
例えば、ドアを開けたら、お化けがいた、としたらどう反応するか・・・、のようなものです。
即興は初めての方は、緊張してやるのに勇気がいるものですが、とにかく思い切って人の前に立ってやってみることです、たくさんやってゆくうちにきっと慣れてゆきます。
エチュードというのは、課題に沿って自宅で練習してきてもらって、稽古場で発表するというものです。
1,2分のひともいれば、10分以上やるひともいます。
例えば、「部屋」というテーマで、自分の部屋での出来事を演じてもらいます。
朝おきて、服を着て、学校に行くために、部屋を出てゆく、というような単純な内容でもかまいません。
芝居はなにをやるかも大切ですが、いかにやるかがもっと大切です。
10人いれば10人のストーリーがあるはずです。
ここでは、想像力をふる活用して、個性的なそして面白いものをやってやろうと野心をもって臨んでください。
同時に無対象行為の訓練もかねています。
実際の稽古では、即興を主にやってゆくつもりですが、随時、エチュードも取り入れてゆきたいと思います。
3)シーン作り(⇒稽古場動画・シーン)
基礎訓練で、ウォーミングアップしたあとは、今度は、実際に台本を使っての、せりふ稽古(読み合わせ)、立ち稽古へとどんどん入ってゆきます。
基礎訓練は、地味で、正直、面白いか、と問われれば、あまり面白くないかもしれません。
芝居が面白いのは、なんといっても実際に台本を使って、役作りしたり、シーンを作ってゆくところにあります。
遊びの要素がたくさん入ってくるのも、この過程です。
ATでは、ひとつの台本をじっくりやってゆきます。
読み合わせでは、シーンの理解と役柄の理解、セリフの練習をします。
はじめての方でも無理のないように、はじめはセリフをただ読むところからはじめて、すこしずつ芝居っぽいせりふが言えるようになることを目指します。
読み合わせが大体できたら、シーンの立ち稽古に入ります。
読み合わせをしているだけと実際に立ってやってみるのとではかなり感じが違います。
台本はみてはいけないし、動きがあるし、相手役のこともきちんと見なければ芝居になりません。
またセリフっぽくしゃべるのは上手でも、体がうまく動かないというのはよくあることです。
立ち稽古になってはじめて、本人には思いもよらなかった不自然な体の癖が分かったりします。
そうした癖を取っていきながら、舞台の上で、自然な動きができるように、セリフがしゃべれるようになることがシーン作りの最大の目的なのです。
2.公演のための稽古
公演へ向けた稽古です。
1年半から2年に一回のペースで公演を行っています。
ATはひとつの公演を6~8か月かけて作ります。
これは普通の劇団さんの本番の稽古にかける時間の3倍位長いスパンだと思いますが、稽古は原則日曜日のみというあり方を貫いている以上、どうしてもこれだけの期間が必要となります。
また稽古時間も公演のための稽古からは13時~20時までと増やします。
全体の稽古量ですが、目安としては、前半は2週間に一回の稽古。
後半、遅くても3か月前から毎週日曜日の稽古に切り換えてゆきます。
また公演一週間前だからと言って、平日も稽古に出て来いというようなことはありません。
あくまで日曜日、祝祭日を利用しての稽古となります。
勤労者中心のグループゆえ、メンバーに無理のない仕方で公演を実現できるように、みんなで工夫してやってゆきます。
以下、AT公演の主なガイドラインを載せておきます。具体的なことは、メンバーとの話し合いによって柔軟に対応してゆきます。
- 時期
- 出し物
- 本番
- 入場料:1,000円
- 公演費用 予算をメンバーで均等に割って負担
春公演(4~5月ころ)あるいは秋公演(10~11月ころ)を予定、メンバーと相談の上決定
古典劇から、現代劇、悲喜劇、不条理劇、オリジナル劇など、ジャンルは問いません。2時間程度のものをメンバーと相談の上決定
以下の3日間は参加必須となります。
金曜日 最終稽古(この日のみ(有給)休暇をお願いします)
土曜日 仕込み、ゲネプロ
日曜日 本番 2ステージを予定
ATでは各メンバーの負担額の上限を5万円までとしています。
たとえば、メンバー4人で公演をうつことになった場合、公演の予算は自動的に20万円となります。
ATではこの予算内でできるものを企画して実現を目指します。
基本的に、初めて公演に出るメンバーはすべて役者として舞台に立てるように考えていますが、参加率によっては出演できない場合もあります。
(それぞれ事情があるかと思いますが、本番の稽古は、出演者が揃わないことには成立しません。出演者ひとりひとりが毎回の稽古にきちっと参加できることが、公演成立への大前提なのです。)
レギュラーの稽古時の参加率を見て判断させていただきます。