⑭立ち稽古:抜き稽古・返し稽古(9月~10月半)

さて、第三回公演への道もそろそろクライマックスになってきました。

 

8月からは4か月前と言うことで、既に毎週日曜日稽古となっていました。

 

(サイトには3か月前から稽古毎週としていますが、今回は、今までのATの公演の中でも一番の大作で、上演時間2時間近くが想定されていたので、1カ月早く4か月前から毎週としました)

 

2012-12-01 16.02.37荒立ちでは大体の動きを付けると言いましたが、それでも結構、細部もしっかりやっていたので、それなりにそれぞれのシーンは出来ていたと思います。

 

しかしここからは、動きや段取りはもちろんのこと、一つ一つのシーン、そして役者の演技の質を上げてゆくことに重点を置いてゆきます。

 

荒立ちでは、台本を持ちながらでもいいよ、と言っていましたが、遅くともこの段階が終わるころには、完全にセリフも入り、動きだけでなく、演技のニュアンスやリズムなどもしっかりと出せることを目指します。

 

うまくいかないところは、何回も返して、なんとかぴんとくるようになるところまでもってゆきます。

 

荒立ちで保留になっていたところも、抜き稽古できちっと決定させます。

 

もちろん、荒立ちでやっていたことを土台にしますが、うまくいかないところがあれば、修正もどんどんしてゆきました。

 

またこの段階からは、転換の稽古もしていきます。

 

今回のお芝居は、全部で15場(シーン)あって、今までは、一つのシーン毎にやっていましたが、これからは、次のシーンに移る「転換」の稽古もやるのです。

 

ほとんど流れのままに転換できるシーンもあれば、転換の間に、小道具を舞台に出したり、片付けたりしなくてはならない転換もあります。

 

また、次のシーンの準備ができたら、それを音響・照明に合図する仕方とかも決めてゆかなければなりません。

 

転換の間は暗転(真っ暗)にして、転換作業をすることにこだわる演出者もいますが、ATでは暗転内での作業は、難しい(見えないから)ということもあって、「転換明かり」という照明を付けた状態で、転換作業をやります。

 

具体的には、5場終わりました → 暗転 → (2拍あって)転換明かり → 役者転換作業 → 転換準備完了・役者からの合図 → 照明音響スタート → 6場開始、みたいな感じです。

 

転換の時間は、30秒以内に済ませることを基準としていました。

 

また暗転中は基本、音・音楽を流すのが常套です。今回は、なにしろ全部で15場ですから、転換表を別途作って、それに従って、転換の稽古をしました。

 

転換作業はすべて役者の仕事です。小道具の出し忘れが命取りになることもありますので、大変重要な稽古です。

 

今回、ちょっと手こずったのは、転換時の衣装の着替えでした。

 

衣装の着替えというのは結構時間がかかってしまうものです。

 

それが原因で、あるシーンの転換では、1分以上もかかってしまい、いくらなんでもそれでは長すぎるので、時間短縮をするために、みんなで知恵を絞りしました。

 

そしてその結果、衣装プランも当初よりはだいぶシンプルになったように思います。

 

そして、最終的には、ほぼ全ての転換で、転換時間30秒以内を達成できたかと思います。

 

そして、各シーンの質も上がり、転換もできるようになったところで、いよいよ通し稽古が始まるのです。

 

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