今回台本選定がうまくいかず、結局メンバーがほとんどやめてしまいました。
今後、どのように台本選定をしていったらよいのか、残ったメンバーで話し合いを行いました。
今回の台本選定では、メンバーの人数が多く8人という大人数で意思を決定しなければならないということになり、調整しながら決定していこうという流れで台本選定を行いました。
基本的には、各メンバーが台本をもちより、その中で良いものを選びましょうという形で行いました。
◎候補として挙がった台本リスト(葬り去られたリスト)
・『父帰る』『屋上の狂人』(菊池寛)2本立て
→ 2本立てがちょっと・・・
・『約30の嘘』(土田英生)
→ いまいちおもしろくない
・『恋愛日記』(竹内銃一郎)
→ 不条理風喜劇、なんか古い
・『戸惑い午後の惨事』(竹内銃一郎)
→ 同じく不条理系喜劇、おやじぎゃく炸裂
・『キネマの天地』(井上ひさし)
→ 面白いけど、長すぎる
・『ビューティフルネーム』(鷺沢萌)
→ 題材がちょっと・・・
・『おやすみ、枇杷の木』(吉田小夏)
→ 悪くないけど、盛り上がらない
・『ハックルベリーにさよならを』(成井豊)
→ バランスのとれた作品、短いのが難
・『幸せ最高ありがとうまじで!』(本谷由希子)
→ 面白いけど、ダブルキャストになっちゃう
台本選定のこれから
今回の出発点である、「各メンバーが台本をもちより、その中で良いものを選びましょう」、ですが、台本選定の過程でさまざまな困難が待ち受けており、その都度調整しながら進めましたが、結局この段階をうまく乗り切ることができませんでした。
で、今回のプロセスから学んだ成果として(集大成として)台本選定のプロセスを、次回から以下のようにしたいと思います。(しかしあくまでアウトライン(外郭)として)
①各メンバーがいいとおもう本をもちより、演出者(現時点ではリーダーのけいちゃん)に読んでもらう。
②演出者は、提案された台本(演出者自身の提案台本も含む)を熟読・吟味し、
③その中から演出者が上演台本としてふさわしいと判断したものを取捨選択し3本ほどに絞る。
④演出者によって選ばれた台本を今度はメンバー全員が読む。
⑤それぞれの台本に対してアンケートを全メンバーに対してとる。
アンケート内容:この台本を①やりたい②やってもいい③できれば避けたい④やりたくない(アンケートの結果は非公表)
⑥アンケートの内容をかんがみて、最終的に演出者(リーダー)が上演台本を決定する。
解説:
①②③:
上演台本の候補は誰からも提案することができるが、やはり演出者(リーダー)の判断による提案台本の吟味・取捨選択は必要。
またすべての提案台本をメンバー全員がその都度全部読むのは物理的にも難しい(都度コピーをするのは大変)。
演出者がふさわしいとする判断基準は、演出者が上演したいとおもう戯曲であること、及び演出者が上演可能とおもわれる戯曲であること。
演出者が演出する自信がない台本を上演するのはやはり厳しい。
この辺の基準はあいまいですが、この判断に主観的な要素を排除することはできないので、最終的には演出者に一任するしかない。
その旨をメンバーは了承する。
⑤:当初は投票(多数決)を考えていたが、この台本は絶対に嫌、という場合もあり得るということを今回学習したので、多数決ではなく、メンバーの意見はアンケートという形で、演出者(リーダー)の判断材料の一つにとどめることにした。
またアンケートの結果の吟味は、さまざまな要素をかんがみて演出者が行うので、結果は非公表とする。
⑥:大前提として上演台本の決定は、演出者(リーダー)が最終的に行う。
その場合演出者自身の提案台本が上演台本とされることもある。その旨をメンバーは了承する。
補足:台本選定のプロセスは、メンバーの人数(または質)によっても大変さが違ってくると思います。
出演者3人位までなら、以上のようなプロセスを経なくても難なくメンバーの合意がとれるかと思いますが、出演者4人以上になってきた場合は、以上のようなことをアウトラインとして、次回から台本選定を進めてみたいと思います。
その他
残ったメンバーとの話し合いでは、他にも以下のようなことが話されました。
・公演出演メンバーに関して:
基本的に、初めて公演に参加するメンバーはすべて役者として舞台に立てるようにする。
原則控えメンバーは設けない。
アマチュアシアターに来る人は、やはり演劇体験をしたくて来るのであり、基礎訓練だけでなく、舞台経験を踏ませてあげることは、演劇サークル主催者側の責任である。
仮に、初めての公演参加メンバー6名で、出演者も6名であるとき、本番の稽古が始まってから出演者の一人が諸事情により降板したとする。
→ その場合、現在のアマチュアシアターの方針としては、公演中止とする。
公演中止はアマチュアシアター全体の連帯責任である。
→ 従って、出演及び役がついたメンバーに関しては、最大限本番まで活動に参加する責任があることをしっかり認識してもらう。
(むろん社会人ゆえにやむを得ない場合もあります。またアマチュアの活動ゆえにやむを得ない場合もあるでしょう。だから公演中止はアマチュアシアターにとって連帯責任なのです。)
・やむを得ない理由(稽古の参加率が悪いなど)で出演できないメンバーに対しての処遇:
本番の稽古が始まっても、公演の3か月前までは、1時間の稽古を行う(稽古内容は演出の方で用意する)。
それ以降は、自分の稽古はお休みで、本番の稽古の手伝いに専念してもらう。
(ただし、出演しない場合は、3か月前でも隔週での参加でOK)
(また、出演できなくなったメンバーのその後の活動参加に関しては改めてそのメンバーと相談して決める)
・ダブルキャストに関して:
ダブルキャストの配役はなるべく避けることを基本方針とする。
・台本・アイデアの却下に関して:
演出者が、メンバーの持ってきた台本やアイデアを却下するときは、理詰めで言わないよう気をつける。
アイデアを募るときは、演出のイメージを補完するためのものだということをきちんと伝える。
例:この作品をやる自信がない。このアイデアは演出のイメージではない。
最後に
いろいろ勉強したことを書いてきましたが、以上のことは別にアマチュアシアターの法律でも何でもないのでして、あくまで現在までの経験から培われたアウトラインとしてのみ、意義をもつものであり、実際の活動の中での問題点はその都度状況に応じて対応してゆきたいと思います。
まあ、適当にやる、ということです。
アマチュアシアターに関心をもって下さった方、アマチュアシアターのメンバーだった方、また現メンバーの方、そのほかこのページを読んでくださった方、ありがとうございました。
これらアマチュアシアターの足跡を記すことはなによりアマチュアシアター自身のためですが、同時にこれらが、誰かの、何かの、参考の足しにでもなってくれれば、望外の喜びです。
おしまい
2011年1月
文:けいちゃん しろれさ